病院勤務の仕事内容

病院勤務でのシフトや仕事内容について

看護師さんの休暇

看護師看護士の週休 2日制も浸透
92年 5月から国家公務員に対して完全週休 2目制が導入されたのをきっかけに、看護師が週に 2日休める病院が増えてきました。
03年には、公立・民間の病院全体で、完全週休 2日制を導人しているところが 59.8 %、隔週週休 2 日としているところが 39.9 %となっています。
07 年には、完全週休 2 日制で勤務している看護師の割合が 67.8 %になるなど、以前と比べて大幅に増えてきています。

有給休暇の考え方
就職すると、一般的に「年次有給休暇」という、給料が支払われる休暇がもらえます。
この年次有給休暇は、例えば年末年始休暇や夏季休暇に加えて、ゆっくり帰省したりする場合などにも有効に利用されています。
与えられる有給休暇(所定有給休暇)の日数は、勤務する病院によってまちまちです。
労働基準法によると、 1 年目で年間 10日、次の年から 1 日ずつ増えて年問 20日までと定められていて、看護師の有給休暇についても、ほとんどの病院がこの法にならって設定しています。

有給休暇の取得率はバラつく

看護師の有給休暇は制度としてある以上、所定の日数はすべて休めるとよいのですが、与えられた有給休暇をみんなが必ず使い切っているわけではありません。
そこで気になる有給休暇の平均取得率ですが、正職員く臨時・パート、アルバイトを除く)の場合 51 . 5 %で、平均取得日数 9 . 4H となっています。職場によって所定有給休暇口数が違うことに触れましたが、日赤で 40 . 1 %とかなりばらつきが目立ちます

その他の休暇
これから学校に通って看護師になろうという若い皆さんには、まだピンとこないかもしれませんが、介護休暇や育児休暇なども利用できるようになってきています。
労働省では、高齢化社会に対応するため、 92 年 7 月に要介護者の範囲を配偶者・父母.子供とし、休業期間を 3 か月などとする「介護休業等に関するガイドライン」を策定しました。これによって、看護師の職場でも介護休暇制度が取り人れられ、最も近い身内の看護をしやすい状況が生まれてきました。

このほかに「育児休業に関する法律」が制定され、翌年 4 月から施行されたことによって、 89 年には育児休業・休暇を利用できた看護師(正職貝)が 30.9 %だったのに対し、 93 年には 55 . 6 %と、半数以上がこの制度を利用できるようになってきています。
このように、まだまだ 十分とはいえませんが、看護師を一生の仕事としていくうえでも、さまざまな休暇の制度が整えられ、それぞれの病院で対応されつつあります。

勤務日を替わってもらう

看護師の就職勤務について
看護師というのは、一人でも欠けると、想像以上に大きな負担が現場にかかってしまい、一人ひとりに対する責任が大変重い職業です。
そのようなことがないように、勤務表は前の月に決められます。
それでも、急な発熱など避けられない事態には、勤務日を替わってもらうことができます。

勤務表が決まった後で、どうしても断われない用事が入ってしまったら、同僚に頼んで替わってもらったり、上司に相談して勤務表を組み直してもらったりしています。
実際には、若い独身看護師の方が、交替要員として声をかけられることが多いようです。
「年功序列」はどの職場にもつきのもです。

勤務形態には 3交替制と 2交替制がある

病院勤務の看護師の勤務形態には 3 交替制と 2 交替制があります。
それぞれの勤務の始まりと終りには、必ず申し送りの時間が設けられています。

3交替制勤務・・ 1 日 24 時問を日勤・準夜勤・深夜勤の 3 つの体制で分けたもの
2交替制勤務・・日勤・夜勤の 2 つの体制で分けたもの

ある病院を例にとると、3交替制の場合、日勤は 8 : 00〜 16 : 45 、準夜勤は 16 : 00〜 0 : 45 、深夜勤は 0 : 00〜 8 : 45 となっていて、 45 分は重なる部分があります。
ここで患者さんの状態や注意点などを次の人に引き継ぐのです。
この申し送りの時間は最低 15分は設けられているのが普通です。

交替制に対する不安
2交替制の場合、夜勤が 12 時間以上に及び、長時間の深夜勤務による疲れや、夜勤にあたる看護師の数は 98年の夜勤実態調査では 1 割近くが 1 人夜勤の対応不足など、大きな問題を抱えています。

3交替制で勤務している看護師は全体の 58.2 %、 2交替・変則 2交替制勤務 は 11 . 8 %と、圧倒的に 3 交替制の方が多くを占めています。

看護師勤務データから見ると 3 交替制は減少し、 2 交替制が増加していることがわかります。
2交替制にもまったくメリットがないわけではありません。担当の看護師がめまぐるしく替る 3 交替に比べて、患者さんに安心感を与えることができたり、働く当人にとっても次の勤務までのインターバルが長く、休みの予定が企てやすいといった声も聞かれます。
2 交替制か 3 交替制かという問題は、病院の規模やそこで働く看護師の数によっても左右され、大変複雑な問題です。

多様化するシフト
そこで、人手の必要な時問に層を厚くし、看護師一人ひとりの負担を軽くするために、いろいろなシフトも試されているようです。
例えば、 2 交替制や 3 交替制でも、時問を均等割りせず、日勤の時間を長く、夜勤・深夜勤を短くしている病院や、いっせいに交替するのをやめ交替時刻を少しずつずらすことで、できるだけ多くの人員を配置できるようにしている病院も出てきています。

残業(超過勤務)のこと

看護師は人間を相手にしている職業なので、やむを得ず時問どおりに仕事を終らせることができない場合も 出てきます。残業には、基本的に残業手当がつきますが、超過勤務すべてに手当がつくわけではありません。

07 年 9 月に超過勤務(手当がつかなかった時間も含む)をした看護師(正職員)は 60 . 8 %で、その超過勤務時間の平均は 12 . 3 時間です。
残業の理由としては、症例の研究、患者さんのフォローのほかに管理的な立場での業務などがあげられます。
ちなみに、一般労働者の月間所定外労働時間は、女子で 5 . 3 時間、男子で 14 . 4 時問(労働省[毎月勤労統計調査」より)となっていて、一般の女子よりは長く残業していますが、男予よりは短いという興味深いデータも出ています

福利厚生の充実度

看護師の福利厚生は?
福利厚生とは幸福と利益、「厚生」は暮らしを豊かにすることすなわち、福利厚生とはそこで働く人 々 の幸福と利益を追及し、暮らしを豊かにする制度のことです。
その内容は病院によって違います。
一般的には、病気やけがや個人の事情で働けなくなったとい った、万一に備えた健康保険や雇用保険、労働災害保険などの各保険と、保養所、慰安旅行、サークルなどのレジャーの提供の二つが大きな柱となっています。

充実度は病院の規模に比例
福利厚生は基本的に病院の規模が大きいほど充実度も高くなっています。
他の業種ではあまりみられませんが、夜勤があるため、保育所を備えた病院もあり、女性の一生の仕事として働きやすい環境を用意するための努力が続けられているといえるでしょう。しかし、少なくとも現状では、夜勤などのハードな勤務形態を子育てと両立させるのに最も支えとなっているのは、家族の協力のようです。

病院によっては保養所がある
病院によっては、夏の避暑や冬のスキーなどに利用できるように、リゾート地に保養所を所有しているところもあります。
保養所は普通のホテルや旅館を利用するより、かなり安くで宿泊できますし、病院関係者以外は宿泊できないためゆっくり過ごせます。
しかしながら、そんなに数は多くありません。そもそも保養施設を持つ病院となると、経営規範はかなり大きいので、数は自ずと限られてきます。
例えば一般企業の系列病院だと、その企業が所有する施設をグループ企業の一員として利用できるということはあります。

寮生活

相場より安く生活できる看護師寮
大学病院や大規模の病院には、たいてい看護師寮があります。
近くに、または同じ部屋に看護師仲間が住んでいると、同業者ならではの悩みを打ち明けあったり、お互いに助けあって生活することができて心強いようです。間取りや設備、管理人さんがいるいないなどスタイルはさまざまですが、個人で部屋を借りるよりかなり安い家賃(相場の約半分から 10 分の 1 )で生活することができます。

プライバシー優先の 1人部屋
最近は、寮の 1 人部屋といっても、病院自体でワンルームマンションを所有していたり、借り上げたりといったところも目立ちます。
その場合も、お風呂や食堂は共同といったところや、一つひとつの部屋にきちんとバス・トイレ、ミニキッチンなど生活に必要なものがそろっていて完全に独立しているなど、病院によっていろいろです。

共有スペースには茶道用のお茶室をしつらえたり、ランドリールームを備えたりと、快適に過ごせるような工夫を凝らした寮も、いろいろとあるようです。
調べてみると、新築のワンルームに冷暖房完備、家具も備え付け、中庭にテニスコートが付いて寮費が月 々 1 , 500 円といっためぐまれた環境のものもありました。

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